隷たち
マインクラフト（以下、マイクラ）は、世界中で人気のあるサンドボックスゲームであり、プレイヤーは自由にブロックを配置して建築や探索を楽しむことができます。しかし、マイクラの世界には平和でない場所や、闇を抱えた場所も存在します。
そのような場所の一つが「奴隷市場」です。この場所では、プレイヤーが作成した人間（モブ）を商人として扱い、他のプレイヤーに売ることができます。これはあくまでもゲーム内のシステムであり、プレイヤー間で取引を行うレーティングサイトなども存在します。しかし、そこでの取引は奴隷制度を思わせるものであり、プレイヤーたちの倫理観を問うものとなっています。
奴隷市場で取引される人間（モブ）は、プレイヤーが飼育し、強制労働させることができるものであり、自らの意思や自由を奪われた存在として描かれています。また、プレイヤーたちが人間（モブ）を共有していることから、所有権の対象として扱われることにも繋がり、奴隷市場はシリアスな問題を生み出すことにもなっています。
さらに、マイクラにはBGM（バックグラウンドミュージック）としてさまざまな楽曲が用意されていますが、奴隷市場近くには不気味な音楽が鳴り響くようになっています。この音楽は「奴隷商人の歌」と呼ばれ、奴隷市場の模様とリンクしているように受け取られます。
「奴隷商人の歌」が鳴ると、プレイヤーは自分が参加しているゲームの中であっても、奴隷市場の現実を忘れることはできません。奴隷市場にいる人間（モブ）たちが自らの意思で働いているのか、それとも奴隷として強制労働させられているのかはわからず、プレイヤーはただ音楽を聞きながら自らの行動を振り返ることになります。
マイクラの世界では、プレイヤーにとって自由とは何なのか、権力を持つ者と被支配者との関係性や、自分の行動が周りに与える影響など、様々な問題を考えさせられます。奴隷市場という場所は、それだけではなく社会的な階層や倫理観などにも問いかけるものとなっています。
マイクラは楽しいゲームであると同時に、私たちに様々なことを考えさせてくれるゲームでもあります。奴隷市場という存在は、ゲームの中に限らず、現実社会における社会問題にもつながり、プレイヤーたちにとっても深いメッセージが込められていると言えるでしょう。
